新規開店!ティッシュ配りの効果と配布数の深い関係

ハックション!
「おや、看板博士、花粉症ですか?」
そうなんだよねえ。この時期、ティッシュは必需品だね。 ……ただ博士ってのはいつも言っているけど違うぞ。

「またまたご謙遜を。じゃあ、ティッシュ博士だったりして」
ティッシュ博士? 鼻に優しいブランドを知っているとか、どこのお店が5箱いくらで安く売っているかをリサーチするとかかい? そんなことは知らないなあ。
ハックション!

「そうですか……。 いや、今日初めてこうやって、博士と言われる先輩にお会いできたから、色々お話を聞かせて頂けるのを楽しみにしていたんですよね……」
(なんか申し訳なくなってきたぞ)
いや、例えばPRをする時。看板を出したほうがいいのか、それともビラやティッシュなどを配ったほうがいいのかは、意識するから、全く知らないわけじゃないよ。
言わば、ティッシュは看板のライバルかもしれないからね。

「へえ~。では、ティッシュ配りについて、教えてください!」
ああ、いいよ。ただ、頼むからティッシュ博士とは呼ばないでくれよ!
ハックション!

そもそもいつからティッシュが配られたの?

特に都市圏の街中の風景としてお馴染みのティッシュ配り。
しかし、外国人が日本に来て驚くことの一つでもあるとか。

ポケットティッシュ自体は第一次世界大戦時に海外で生まれましたが、ティッシュを配ってお店の宣伝に使うというアイデアは日本生まれ。
1970年頃に始まり、以降普及が進むようになりました。

ちなみに、それ以前に広告宣伝のアイテムとして使われていたのは、マッチ。
確かに、今でも喫茶店やスナックなどでは、店名入りのマッチを見かけることがあります。
しかし、ライターの普及や喫煙率の減少もあり利用シーンが限られるため、その座はティッシュへと変わっていくのでありました。

「へえ~。なんかもっとティッシュ自体の歴史についても知りたくなりました」
今回は省略するけど、同じように知りたい人はいるみたいだね。国立国会図書館のページに同様の問合せについての調査結果がまとめられているから、もしよかったら見てごらん。
(ポケットティシュの歴史 | レファレンス協同データベース 国立国会図書館
参考: http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000004370)

広告アイテムとしてのティッシュのメリット

それまで広告アイテムだったマッチの座を奪ったティッシュ。
もちろんマッチ同様に、「情報を紙に印字しやすい」「小型で携帯しやすい」といったメリットもありました。
しかし、それ以上にマッチよりも優位となった面が多くありました。

まず、原価の安さ。
量や枚数、そしてティッシュ自体の質にもよりますが、原価は一つあたりおおよそ5円とも言われています。
また、大人(特に年配の男性)の利用イメージが強いマッチに比べ、ティッシュは老若男女を問わず、誰でも利用することができます。

加えて、季節も問いません。
昨今では、夏場にはウチワ、冬場には携帯用ミニカイロなども、広告アイテムとして配布されることがあります。
これらは暑さや寒さをしのげるため大変嬉しいグッズです。
しかしオールシーズンというわけにはいきません。
その点、ティッシュは、一年を通して利用されるという頻度面からも重宝されます。

そして利用シーンからはもう一つ、ユーザが屋内だけでなく屋外でも利用するというのも、実はメリットなんです。
例えば店舗の広告は、街中にいる人に対して、その店舗に来てもらいたいという狙いがあります。
例えば台所洗剤やシャンプーなどに広告を入れ、PRされているお店が気になったとしても、家の中から外へ出るのにまず一アクションを要してしまいます。
そこから更に宣伝されていたお店を思い出して探す……となると、あまり効果的とは言えません(日用品としてのメリットはありますが、ここでは割愛します)。
その点、ティッシュの場合は、街で使って目に留まったら、そこからすぐにお店へ直行できるという動線を作ることができるのです。

この動線、つまり受け取ったお客さんをどうやってお店まで誘うか、という考えはとても大事だね。そして、最近はティッシュの中に、クーポンを封入されているというケースも増えているもんね。
「うわー、なんかたかがティッシュと軽く思っていたのが、すごく重く感じてしまいそうです」
そうだね。一枚あたりはとっても軽いのにね。
(……こういうダジャレを入れるの、クセなのかな……?)
新規開店!ティッシュ配りの効果と配布数の深い関係

街中でティッシュを「配る」ということ

さて、これまではティッシュ自体をマーケティングの観点から見ていきましたが、ここからは更に「配る」という行為についても見ていきましょう。
単なるモノとしてのティッシュだけでなく、そこに「配る」という要素が付け加わると、何が変わるのか?

一番大きいのは、配る人が必要、ということです(笑)。
そうなると、先程のティッシュの原価に加えて、人件費が派生します。
ティッシュ配りを費用として計上する場合、この要素を加えるのをお忘れなく。

「例えば新規開店のお店で、そのオーナー自体が配れば、人件費はタダなんじゃないですか?」
そうだね。また、お店の人自身が配るメリットとしては、直接その人となりをアピールできるし、街の人の意見を直接聞けるという点はあるね。
ただし、開店準備で忙しい中でそこまでできるかという問題はあるかなあ。またとにかく広くPRしたいとなると、配る人を雇うというケースが多くなるね。

「一本釣りと投網漁の違いみたいな感じですかね」
そうそう。そして、本職の漁師さんよろしく、ティッシュ配りもプロならではの違いというのも出てくるよ。

プロのティッシュ配りの場合、まず、相手に気持ちよく受け取らせることができます。
街中で要らないビラを押し付けられて辟易した経験はありませんか?
こうなってしまうと折角の宣伝も逆効果。
ティッシュを配る時から好印象となるようしましょう。

また、配布数も違います。
人通りの多さなど環境にもよりますが、単なるビラの場合1時間に50枚なのに対し、ティッシュの場合、1時間に200個弱が受け取ってもらえる数の目安と言われています。
しかし、プロの場合は1時間に300個以上を達成できる人もいるようです。

なおティッシュを見て、実際に行動に移す人は0.1%と言われています。
できれば複数名のチームで大量の配布を行いたいところです。

プロは見ている。「ティッシュ配り」の効果

そして、プロならではの大きなポイントは、配布するターゲットの選定。
通りすがった人全員に無料配布でもいいのですが、「あらかじめ設定したターゲットだけに配布して欲しい」旨を伝えると、その人だけに配るといった対応をするプロもいるようです。
例えば、性別、年代、一人か複数か、向かう方角(例えば駅から来た人か・駅へ向かう人か)など。

「そっか。女性向けエステの広告は、男性に渡してもあまり効果ないですもんね」
そうだね。ただ、ターゲット以外の人から「ください」と言われた時に、頑なに拒否して配らない人もいるけど、それは逆効果だと思うんだよね。印象も悪くなるし、そもそもどこでどうお客さんとして繋がるかはわからないし

「そこは臨機応変が欲しいところですね」
そして、一見性別や年代が関係なさそうな業種でも、意識して配っている場合もあるんだよ。

ターゲットを選定しての配布。
そして、先に述べたクーポン封入などを加味すると、効果測定も可能となります。
例えば一日目は女性だけにAというクーポン入りのティッシュを配り、二日目は男性だけにBというクーポン入りのティッシュを配る。
その後、来店客がABどちらのクーポンを使ったかを調べることで、単に男女どちらがお店に来るかではなく「広告を見てそのお店に来てくれる頻度が高いのはどちらか」といったデータを得ることができます。
それを踏まえて、より効果の高い広告を展開できます。

「へえー。ティッシュ配りに、そこまで奥深い世界があるんですか!」
まあ、全てがそこまでやっているんじゃなく、あくまでもごく一部だけど、そういう場合もあるんだよ。
看板みたいに一斉に皆の目につく広告と違って、個々への対応が可能なティッシュならではの効果だね。

「さすが看板博士! おみそれしました!」
だから、そのニックネームは勘弁してくれ!
ハックション!

「ふふ、今のクシャミは、きっと誰かが博士の噂をしているからだと思いますよ。はい、さっきもらったティッシュです。何袋でも使ってくださいね」
そんなにはいらないって……は、ハックション!

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