うちは昼間しか営業しないんですけど?光る装飾ってあり?

ほら、また会議室の電気つけっぱなしだったぞ。使い終わったらちゃんと消しておきなよ。昼間から電気つけっぱなしで、もったいないじゃないか。
「すみません。そうそう、そういった意味だと気になることがあるんですよ」
ん、何かな。部下の相談に乗るのも、上司の務め。何でも相談したまえよ。

「ほら、この窓の外にあるビルの会社なんですけど、昼間しか営業してないんですよね」
ドキッ! なんだろう、まさか転職相談なのか!

「なのに、看板がずっと光ってて、無駄じゃないですかねえ?」
……。えーと、なんでその話を私に?

「知ってますよ。看板博士なんですよね。それに比べたら、ここの会議室の電気代なんて微々たるものですよ。教えてくださいよ~」
心配して損したぁ~。じゃあ、昼夜と看板の関係について、たっぷり語ってやるからな!

そもそもの看板の目的と、効果

まず、大前提として、看板の目的で一番大事なことは、伝えたいメッセージを見た人へ伝えるということです。例えば、新商品だったり、お店の名前だったり、お店までの道順だったり。これらのメッセージが少しでも見た人の目に留まり心に留まるよう、看板を出しているお店は工夫を凝らします。看板に載せる情報を何度も修正したり、設置場所や大きさ・材質などを吟味して厳選したり。

そして、ここで大事になってくるのが装飾。
たとえ同じ中身であっても、装飾を変えることで、効果は大きく異なってきます。では、数ある装飾手法の中でも、光や色を使う装飾にはどんな特色があるでしょうか?

演出や効果における、色の重要性

では、まずはわかりやすく、光ることのベースとなっている「色」についての話を。

一般には、人間が五感から得る情報のうち8割以上は「視覚」、すなわち目から入ってくる情報と言われています。例えば、今、こうやって文字を読んでいたり、パソコンやテレビの画面を見たり。そうやって意識的に情報収集として行うのはもちろん、普段単に生活をする上でも、目からの情報量が一番多いそうです。

そして、そうやって入ってくる「視覚」の情報のうち、さらに8割は「色」に関する情報だそうです。スーパーで買い物をする際に肉や野菜の鮮度を見たり、人と会った時に顔色を窺ったり(慣用句ではなく物理的な意味で)、色をベースに私たちは判断をすることが多々あります。

おそらく多くの人が学生時代にノートをとっていた時、大事なポイントや用語には赤線を引いたり蛍光ペンなどで目立つよう印をつけていたりしたと思います。これがまさに色の効果です。

そして闇雲に多くの色を使えばいいというものではないというのも、ノートへの色ペン記入の際のコツと同じ(笑)。文字情報を強調する場合、タイプにもよりますが、2~3色あれば十分と言われています。論理的な即断即決が好きな人であれば、むしろ通常の黒+赤の2色以外に使うと、逆にうっとうしく感じることもあるとか。

というわけで、看板、特に文字情報が多いものを製作する場合には、どの程度の色を使うかということも、演出の上で重視すべきポイントとなります。
と同時に、特にポスターなどがベースの看板においてはもう1つ。色による強調も大事ですが、「色の違いを見分けるのが苦手な色覚障害の人への配慮」も必要です。

例えば、背景と異なる色にはしたが色相(色あい)が同じだったので、見分けが苦手な人には伝わりづらい装飾になってしまった、など。目立たせるために色をつけたつもりが、色による違いが無いと区分がつかなくなるとなっては本末転倒です。あくまでも、装飾の一手法として、過剰な装飾に対する同様の効果を期待しないようにしましょう。

うちは昼間しか営業しないんですけど?光る装飾ってあり?2

光る装飾、電飾について

以上、色についての話をしたところで、改めて光る装飾について。ただし光る装飾といっても、電気を使うものと使わないものとがあります。

例えば、カフェなどではお店の前にメッセージボードタイプの看板を設置する場合があります。旧来は、黒板にチョークといったスタイルが主流でしたが、最近ではブラックボードに蛍光ペンで書くこともあります。これなども一種の看板と言っていいでしょう。この場合、大事なのは書く人のセンスに関わっているかもしれません(笑。ただし、失敗したなと思ったらすぐに書き直すことができるという点では、実用性は非常に高いです)。

そして、電気を使って光る装飾についてです。
スクリーン上に色々な文字を出す電光掲示板や、様々な映像を流すことができるデジタルサイネージなどもありますが、ここでは、1つの広告に特化しているもので考えてみます。文字の形に象られたネオンサインの看板や、文字や絵があるアクリル板の後ろから蛍光灯などの強い光源を当てるタイプの看板などです。

そして近年では照らす手段として、家庭内の照明と同様にLEDも使われています。ただし初期導入コストの高さもあり、まだネオンや蛍光灯が使われるケースも多いようです。またLEDは、真正面ではなく横にずれた位置から見る場合、光の量が減少するため見づらくなるという問題点があります。看板での使用の場合、正面以外から見る場合も多いので、全方向に光るネオンサインなどとは違うという点の注意が必要です。

しかし近年は、信号機をはじめとし看板のLED化は進んでいます。その一番の要因は低コストでしょう。消費電力が低いため、日々の電気代も10分の1に抑えられると言われています。また、実はLEDには虫が寄りにくいという特徴もあります。蛍光灯や白熱電球などの光は、紫外線を含むため好きな虫が集まりやすいのです。

メンテナンスも加味した費用について

光る装飾の場合、設置後のメンテナンスも重要となってきます。

そもそも看板は直射日光を浴びやすいため、色褪せ・色落ちが発生しやすくなります。特定色の塗料だけが落ちて、本来一番目立たせるつもりだった文字が見えなくなってしまった看板を見たことがあるかたも多いと思います。電気を使わない看板であっても、そういう経年変化への考慮も、重要なポイントかもしれません。

そして、電気を使う看板の場合、ここでLEDの寿命が長いという点も選択時の判断材料になるでしょう。使用条件にもよるけど、他照明が3年で交換するのに対して、10年以上は長持ちすると言われているからね。また、特に設定によっては、一つの照明が壊れたら看板全体を取り換えないといけないという構造の場合もあるから、できれば壊れた照明だけの取り換えで済ませることができる、といった点でも注意したほうがいいかもしれないよ。

まとめ(というか個人的な感想ですが……)

単に価格だけで見るならば、おそらくはビラなどを配布する広告宣伝費と比べても、電気代のほうが安いからアリだろうね。年間で数千円程度という試算もあるよ。

ただ(ここからは本当に個人的な意見だからね)、「この看板は果たして光らせる意味があるんだろうか?」と思う看板を目にするのも事実。何をメッセージとして訴えたいかが曖昧なままだとしたら、色々もったいないなあと思うね。

「そうですよね。あと僕、東日本大震災後に計画停電があって、夜の看板照明が消えた街も悪くないなあと常々思っていたんです」
なるほど。ちょっと特殊な状況下ではあったけど、そういう意識も大事だと思う。

電源系はやはり何らかのトラブルはつきもの。そのような際に看板としての効果を失うのではなく、機能できるような仕掛けがあると、よりグッドだと思うね。
極端な話「何も光らず文字が表示されてないけど、ここの看板ってあの会社のだよね」と見ている人が感じたのであれば、看板としての効果は十分なわけだからね。

でも、明るく光る装飾ってみんなを元気にするし、お店の活気を感じるよね。
やっぱり昼間しか営業しなくても、光る装飾はありだと思うよ。何より記憶に留まるしね。

看板博士としてはあり。判定。

電飾サインスタンド