動く看板っていったいどんな仕組みなの??

デパートでの商談が無事終了。
天気がいいので今日はそのまま屋上で一休みをしている、とある上司と部下の会話です。

「いやあ、次の打ち合わせまでは時間もあるし、こうやって休憩するのって気持ちいいですねえ」
デパートの屋上ってのも、最近は休憩スペースができるなど、色々進化しているなあ。

「でも、昔から変わらないのもありますよね。あ、アドバルーンだ。懐かしいなあ」
アドバルーンか。まさに看板の風船だね。
風の具合によって、ゆらゆらと揺れるのがまたいいよねえ。

「さすが、看板博士。動く看板にも詳しいんですね」
(だから、博士じゃない、っていつも言ってるんだけどな……)

「ちなみに、アドバルーンの他に、動く看板ってどんなのがあるんですかねえ。お話、聞かせてもらっていいですか」
まあいいけど……、この陽気だし、子守唄代わりにされるんじゃなかろうか。

もっとも見ることが多い「動く看板」と言えば……

「看板が動く」と言ってもその種類は色々。
ネオンサインの光の点灯やデジタルサイネージのスクリーンの中での映像などで動いていたり、あるいはサンドウィッチマンのように街中で看板を掲げた人が移動していたり。
これらも広い意味では「動く看板」と言ってもいいでしょう。

しかし、まずは「ある位置に固定されている看板で、その一定範囲内で何らかの物理的な動きが発生する」というものを見ていきましょう。

そのような「動く看板」の中で、町を歩いていてもっとも見ることが多いものと言えば、理髪店に飾られているサインポール(別名:あるへい棒)ではないでしょうか。
白赤青の三色の線が走っており、常に回転していることで、あたかも線がいつまでも上へ登っていくように感じられる不思議なアレです。
こちらは基本に、中に蛍光灯とモーターが入っています。蛍光灯で明るくしたポールを、モーターで回転させることによって動く仕組みになっています。

サインポール
このサインポールの看板の役割ですが、もちろんこの動きで人目を惹くこともありますが、それ以上に「理髪店のシンボル」としての位置づけがあります。数百年の歴史があり、日本のみならず海外でも理髪店の看板として使われシンボルとして認知されています。
従って、文字だけの看板を出す以上に、このサインポールがぐるぐる回転しているのを見ることで「ここに理髪店がある」という印象を生み出すことができるのです。

物理的に動く看板あれこれ

動く看板っていったいどんな仕組みなの??
巨大看板としてもお馴染みの、大阪 道頓堀にある「かに道楽」の看板。
「どうやって動いているの?」と聞くと「あれは生きているかにをそのまま使っているんだよ」とか「アルバイトの店員が、中で自転車をこいでいる」といった答えがしばし返ってきます。
しかし、残念ながら(?)実際は、電気仕掛け。

また全店同じ看板ではないため、お店によってかにの動きに違いがあったりもするそうです。
是非見比べてみてはいかがでしょうか。

そして、同じく道頓堀で人気なのは、くいだおれ太郎の人形。太鼓を叩いたり、首を動かしたりするなどのユーモラスな動きで、道行く人の関心を惹き付けています。
こちらも動力源は電気で、いわばロボット。
飲食店としてのくいだおれは残念ながら閉店となっていますが、そのビルでは現在くいだおれ太郎のグッズなどが売られており、店頭で動きながら、来客を待っています。

飲食店で言うと、ラーメン屋の店頭で、誰も持っていない箸が麺をつかみ、それが上下に揺れている看板を見たことはないでしょうか?
これももちろん電動。
ただそうわかっていながらも、「どうやって麺をつかんで、どのようにしてこのような動きをするのだろう」と気になってしまいます。
これに関しては、ネットに紹介&インタビュー記事がありましたので、そちらをご覧ください。
(参考:『ついに大特集!あの動く麺の看板』 http://portal.nifty.com/kiji/140811164834_1.htm)

ちょっと変わった動きの看板「燃える」

焼き物が多い飲食店の店頭などで、メラメラと燃えている松明やかがり火が置かれているのを見たことはないでしょうか?
夜や廊下などの暗闇で、このように火が燃え動いている様子は、遠目からでも視線を集めやすく、また近寄ると幻想的な雰囲気すら感じます。
この燃える動きには、いくつかのパターンがあります。

まず本物の火を使う場合。
実際の炭や専用のロウソクを使うことで、長時間燃やし続けることを可能にします。
また、より確実に長時間燃やしたい場合は、ガスをつないで燃やし続けることができる看板もあります。

そして本物の火は使わない場合。
電気で赤いランプを照らすことで火に似せることもあります。
また、それと合わせて赤いセロハン等で炎を模し、そこに風を当てることによってメラメラとした動きに似せることもできます。
実際の火を使わない分、失火に対する安全性は高くなります。

電気を使わないけど動く看板

屋外に置かれることの多い看板では、電気を使わないものも存在します。

代表的なのが風力。冒頭に述べたアドバルーンなどもその代表と言えるでしょう。他にも、風車の原理を活用した看板もあります。
風が吹くことで、風車が回転し、それと結びついているオブジェが回ったり、ペラペラと内容が変わったりとする看板など。
動く看板っていったいどんな仕組みなの??

基本常時動かすことができる電力と違い、風が吹かないと動きがないという問題点ははらんでいますが、電気代がかからずに、人目にとまる動きができるという点は立派な長所。
加えて、屋外に設置する際にも、配線などがないためメンテナンスがしやすいという点も立派な長所です。

常に風が起こりやすい道路脇などは最適です。
また、その動く仕掛けを理解し、学びやすいということから、公園や動物園といった子ども向け施設などに置かれていることも多いようです。

逆転の発想。「動いているものを看板にしてみる」

そして、現在は逆に「動いているものを広告塔とし、看板として活用する」というケースも目立ちます。特に最近顕著なのは、車体全体が広告で覆われていて、乗客よりも通りかかった人の目を惹くことが多いラッピングバスではないでしょうか?

車に広告を搭載・装飾して回るという宣伝カー自体は、従来から存在していました。
しかし、各地方の条例によって、サイズや実施の有無などが制限されていました。
そのような中、2000年に当時の石原慎太郎東京都知事が、財政対策の一環として規制が緩和。そして、実際この施策で大きな収入があったことから普及が進み、現在はいたるところで目にすることができるようになりました。
特に海外ですと、国によってはほとんどのタクシー車両に様々な広告が掲載されていたり、はたまたジェット機の機体にも一面ラッピングがされていたりするなど、スケールの大きい「動く看板」が存在しています。

まとめ:つい喚起されるような自然な動き

というわけで、動く看板と言っても多種多様だね。
特に最近では、技術の進歩から超高速の動きをする看板も目に付く機会が増えたかな。
もちろん、そのすごさをアピールするという点では正解なんだけど、もし看板でPRしたい内容が他にあるのだとしたら、過度の動きは考えものかな。

じっくり見てもらえる、面白がってもらえるなど、目的に合わせた観点で動きを決めていくのがいいかもしれないね

「ちょうど、あのアドバルーンのふわふわ揺れてるのが気持ちいいみたいにですね」
そうだねえ。……って、おい、もうこんな時間だぞ!

「わあ、しまった! 話とバルーンに夢中になってしまいました! もう行かなきゃ! あそこの売店で売ってたソフトクリーム、気になってたけどまた今度にしますね!」
(……しまった、ソフトクリーム売ってたのか。最初に買えばよかった! それこそ看板を動かしてアピールして欲しかった!)

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