案内サインも進化する!?オリンピックに向けた動きとは

2020年に東京で夏季オリンピックが開催されることになり、日本国内の案内サインに変化が出てきています。
すでに変更されたものもあり、以前の案内サインに慣れている人たちからは戸惑いの声が出ていることも…
オリンピックに向けて、案内サインはどのように変化しているのでしょうか?

オリンピックに向けてどう変わる?根底にある考え方

具体的にどのように案内サインが変わっているかの前に、どんな価値観をベースにして案内サインが進化しているのかを見ておきましょう。
案内サインに求められる機能とリンクしていますが、基本的には以下のようなことを価値観のベースにしています。

多言語で外国人観光客がすぐに理解しやすい

日本には従来から多くの環境客が押し寄せて来ていましたが、日本への渡航者は年々増加しており、今では年間1,000万人を超えています。
しかし、オリンピック開催時期にはそれとは比べ物にならない数の外国人が渡航してくることが予想されています。

そのため、より多くの言語を案内サインに表示し、できるだけたくさんの人が母国語で案内サインを理解でき、ストレスの少ない移動ができるようにという意味で、多言語での表示が求められています。
基本的には日本語と英語の2言語ですが、中国語やハングル語など、それ以外の言語も入れ込むことが推奨されている案内サインも多く、また、その場合は見えにくくならないようにするなどの工夫も求められています。

わかりやすく、見やすい

駅から駅、施設から施設に移動する時、移動時間を多くとれないこともあります。
また、施設の中でトイレに行きたくなったり、迷ってしまって総合カウンターに行きたくなった時、すぐに目的の場所がどこにあるのかがわかるのと全くわからないのでは、受けるストレスも大きく異なります。
オリンピック開催中は多くの施設が利用され、スポーツをする側も観る側も移動の機会が増えます。
そのために、案内サインには「わかりやすさ」がより求められることになります。

アルファベット表記を一律に揃える

日本には神社仏閣がたくさんありますが、例えば浅草寺を「Sensoji Temple」として、英語表記された時に後ろに「Temple」と表記したり、川は後ろに「River」とつけるなど、普通名詞の部分を含む固有名詞の場合には、普通名詞の部分を共通させるという指針も出されています。
また、表記のブレが出やすい「ちゃ(cha)」「じ(ji)」などのアルファベット表記も統一されているなど、表記について細かく統一ルールが決められています。

地図や案内用図も一部変更へ

寺院を表す記号である「卍」がナチスドイツを連想させるとして、変更した方がいいという意見が寄せられていることが報道され、案内サインの変更についての認識が広まりました。
特に、ピクトグラムは採用している規格自体が変更になっています。

ピクトグラムもJIS規格からISO規格へ

ピクトグラムとは、一言で言えば絵文字のことです。
非常階段のマークやトイレのマークなどを連想するとわかりやすいかもしれません。
言語を使わなくても、そのマークを見ればそれが表しているものが何かわかる、というのがピクトグラムの大きなメリットです。

一方で、私たちが海外旅行に行った時、マークを見てもそれが何を表しているのかわからずに迷ってしまったという経験はありませんか?
このようなことを減らすためにも、ピクトグラムの規格を世界水準にすることが進められています。

日本のピクトグラムはJIS(日本工業規格)を基準に定められており、いわば日本の中だけで通用すればそれでよかったのですが、オリンピックに向けてISO(国際標準化機構)規格へと移行しています。
例えば、従来キャッシュサービスを表すピクトグラムでは、お札に¥マークが記載されたものになっていました。
しかし外国人観光客にとってはこの¥マークがわかりにくいのでは、ということで、お金を受け取るイラストのピクトグラムに変更されています。
案内サインも進化する!?オリンピックに向けた動きとは

ピクトグラムや地図記号はこう変わる

小学生の頃は、日本地図を片手に神社や病院などのマークを暗記した、という人もいるかもしれません。
地図記号の中にもピクトグラムが含まれているものとそうでないものがあります。

地図上には地名や道路などの情報が文字でたくさん載っているため、さらに施設などについても文字で情報を加えるとなると、地図上の情報が煩雑になって混乱しかねません。
この地図記号ですが、オリンピックに向け、外国人観光客のために地図記号が変更になったり、新しく追加されたりしました。
一例を挙げてみましょう。

郵便局のマークが封筒のマークに

もともとは、郵便番号を表す「〒」を○で囲んだものが郵便局を表していましたが、外国人観光客にはわかりづらいということで変更になりました。
携帯電話にメールが届くと、画面に封筒のマークが残りますよね。
あの封筒のマークが、地図記号では郵便局のマークになりました。

ホテルのマークもアルファベットからイラストへ

もともとホテルを表すマークは、アルファベットの「H」を○で囲んだものですが、こちらも変更になっています。
変更後のマークは、ベッドとサイドランプが描かれたもの。
ベッドというところが、いかにも国際基準に合わせたという感じがしますよね。
この表記にすることで、「泊まるところ」「寝られるところ」という意味が伝わる地図記号に変わりました。

交番のマークもイラストへ

交番を表す地図記号は、アルファベットのXや×印に似たものでしたが、こちらも、警察官が敬礼をしているイラストに変更になりました。

こうして見てみると、変更になったものは一見して意味がわからないもの、日本では通用しているけれど海外からの観光客には意味がわかりづらいものと言えます。

駅のナンバリングはこう変化している

駅は最も案内サインが重要な役割を占める施設のうちの一つと言えるでしょう。
外国人観光客にとっては、自分が今どの駅にいるのか、どの路線の電車に乗っているのかを把握することはとても重要です。
そのため、駅の案内サインにも、オリンピックを見据えて駅ナンバリングの導入が進んでいます。

JR東日本が導入を始めた首都圏の駅ナンバリングを見てみましょう。
駅ナンバリングには、色・駅名(日本語だけではなく、英語や中国語など4ヶ国語で表示)・スリーレターコード・路線番号、そして駅番号という多くの情報が含まれています。
駅ナンバリングでは、路線番号をアルファベット2文字で表し、さらに数字で駅番号を表示することとしました。
路線番号と駅番号を表示することで、外国人観光客が駅名を読めなかったとしても、現在地がどこなのかがわかりやすくなっています。

また、新宿などの主要な乗換駅では、スリーレターコードの表示も導入されました。
駅名はアルファベットで全てを表示するとかなり長くなってしまうものが多く、スリーレターコードを導入することでこちらも現在地がわかりやすくなっています。

2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人観光客がスムーズに国内を移動できるようにと、案内サインの見直しが行われています。
基本的には、いかにわかりやすく見やすいものにするかという点を重視して細かいルールを定めることで、日本国内での案内サインの質を上げるための変更が進んでいます。
すでに変更されたものもあれば、これから変更されていくものもある案内サイン。
東京オリンピックに向けて少しずつ移り変わっていくのは、街並みだけではないようです。

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