看板・装飾もオール電化の時代!?

お祭りです。暗い夜を、かがり火や提灯が彩ります。
「さあ、もうちょっとしたら花火があがるみたいですよ」
いいねえ。しっかり見ておきたいねえ。

「看板博士。この間は話に夢中になって、花火を見過ごしたらしいですからね」
(だから博士じゃないのになぁ……)
「ほら、こうやって色々な火を使った看板があるんだから、そっちも見逃さないでくださいね」
ああ、夜祭りの提灯のことか。
でも、本物の火じゃなくて、これって電気のハズだよ。

「いやいや、それは嘘でしょう。電気だったら、こうやって燃え盛ったりしないのでは?」
ふふ、最近の装飾技術ってすごいんだよ。
じゃあ、花火待ちの間に、火とそれに代わる電気の話でもしてみようか。

火が好きな私たち

ヒトと他の動物を分けている特徴。
その1つには「火という道具を扱えるか否か」があるそうです。

火を使うことの効果として、まずは暗闇を照らし、日中同様にモノを見ることが可能となりました。
また、獣を追い払うこともできました。
もちろんそこから、暖をとったり、食材や水を熱したり。
さらには、陶器や金属器なども火によって作り出せるよう進化していきました……が、ここらは今回のメインテーマではないので一旦おいといて。

ただ、火によって我々ヒトが様々な恩恵を得ることができたのは事実。
そのためなのか、ヒトは火に魅せられることが多いようです。

その最大の例は聖なる象徴としての火。
火は洋の東西を問わず、聖なるものとして扱われることが多いです。
日本各地の火祭り、オリンピックの聖火、さらには火そのものを善の象徴として崇拝するゾロアスター教など。
火は、太古から神秘的なものとしても位置づけられてきました。

また、そこまで堅く考えなくても、単に「火を見るのが好き」な人は多いようです。
キャンプに行った時、薪やキャンプファイヤー、バーベキューの炭などが燃えているのをついつい眺めてしまうという経験はありませんか。
ノルウェーでは、半日にわたってテレビで「薪が燃えているだけの映像」を流したところ高視聴率。
日本でも、ネット放送で同様に「薪が燃えている」番組を放映したところ、これまた相当のアクセス数があったことが大きな話題となりました。

火を看板にすることの良し悪し、そしていいとこどりをするには……

さて、このようにヒトが大好きな火を、看板や装飾として使うことについて考えてみましょう。

まずはメリット。
古来より、火はメッセージを送る用途でも使用されてきました。
合戦で合図する松明の灯り、京都の大文字の送り火に代表される遠目から見える文字など。
暗闇の中でまばゆい光を発するため、インパクトは強く、メッセージの伝達性に非常に優れています。
古来より、ろうそくやかがり火、漁火など様々に火を使ってきました。
中でも提灯(ちょうちん)は、単に明るさの提供だけでなく、表面にかかれた字や絵を照らし出すことでPRする効果にも優れていたといえるかもしれません。

しかし、火の利用にはデメリットもあります。
それは、とても扱いづらいという点。
常に燃料を補給したり、雨風などで火力が変わったりしないよう管理したり、何よりも火事を引き起こさないよう熱や延焼を遮断するための仕掛けが必要だったりします。
屋内で使う場合は、例えば行灯(あんどん)の照明のように、油皿を用意し、枠を組み立て紙を貼り、倒れないといった工夫がされたものが必要です。

そう考えると、花火やキャンプファイヤーなどの一時的な目印の場合であれば火は有効です。
しかし、街中や店の前、あるいは屋内用の看板や装飾として常時設置する場合は取扱注意となります。実際のところ消防法などの関係もあるため、リアルの火を使った看板や装飾は不可能と思ったほうがよいでしょう。

ただ、火による看板と同じメリットを得られる看板や装飾があります。
それが、電気を使った看板です。

オール電化で、ホンモノの火の魅力に近づく

看板・装飾もオール電化の時代!?
例えば、先に述べた提灯。
最近は、中に電球を入れて照らす商品が増えています。
技術も進歩して、本物の火に負けず劣らず強い光量の電球も増えました。
さらにオール電化の提灯には、火と比べて利用時に大きなメリットが3つあります。

まず、火の最大の問題点だった火事の恐れがないという点。
火を使わないので、燃えることは基本的にはありません。
そのため、火気厳禁の屋内に置いたり、本来ならば燃え移る可能性のある強風の中へ置いたりすることが可能です。

次に、燃料よりも電源のほうが供給されやすいという点。
本物の提灯を四六時中つけっぱなしにするには、相当量のろうそくが必要となります。
しかし、電球を使った提灯ではそのような燃料は不要。
電池タイプであれば、設置のためのわずかなスペースさえあれば十分です。
コードからの電源を取るタイプであれば、四六時中どころか毎日つけっぱなしにすることも可能です。

そして、オンとオフの切り替えが簡単にできるという点もメリットです。
本物の提灯の場合、マッチやライターで火をつける・ろうそくに灯す・提灯の中に入れる・それを燃えないような場所を選んで配置する……と準備に時間がかかります。
オール電化の提灯の場合は、スイッチ1つで照らすことができます。
消す時も同様。子供に操作を任せても安全です。

これって火? フレームライトで火が好きな人を惹きつけます

また、より見た目を火に似せた、フレームライトという装飾看板も人気です。
これは、火に似せた赤やオレンジ色の布に強い光を当てて、あたかも火が燃えているように見える装飾。光と同時に風を当てることで布が揺れ、あたかも火がメラメラと動いているようにも見えます。

もちろん先のオール電化の提灯と同じく、安全で長時間利用できオンオフも簡単と、いいことずくめ。特に安全面では、演劇や音楽ライブなどで「本物の火が使えないけど燃え上がる炎を表現したい」といったケースにも使われています。

看板装飾としては、まず焼肉屋や炉端焼きなどの本当の火を使うのがウリのお店にオススメ。
フレームライトを使うことで、見た人に火が燃えている様子を強烈に印象づけ、食欲をそそらせます。
他にも、北欧風サウナなどの熱をウリにしたいお店、キャンドルをはじめ火を使ったサービスが盛り上がる結婚式場など、実際の火を模したフレームライトは色々と重宝できます。

「なるほど。オール電化で、本当に火が燃えているように見せること、できるんですね」
まあ、どうしても本当の火じゃないとダメという場合は仕方ないけど、装飾や看板においてはそういうシチュエーションってあまり無いと思うんだ。
強いていえば、本当の火のほうが燃料が安いというのはあるけど、最近はLED電球など長持ちするのも増えているし。
それに、見張りなどの管理コストを考慮したら、トータルの費用としてはオール電化のほうが安いと思うよ。
なぜ火を使いたいのか、火の魅力は何かという要素を1つ1つ考えてみると、電気を使う方法で大抵は補えるんじゃないかなぁ……

ドカーン!!!

「あ、ついに花火があがりましたね。看板博士、見ました?」
う、う、う。今はみえるけど、最初の派手な五尺玉は見逃した気がするぞ。

「なんか、ごめんなさい……。
あ、そういえば、来月ここで、最初の花火を模したプロジェクションマッピングがあるそうですよ」

へえー。
というか、ちょっと意味合いは違うけど、それも「実際の火を電気で再現」しているじゃないか。
天気が悪い日や屋内であっても投影できる花火映像。
これもまた一種のオール電化かもしれないね。

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