チェーン店の看板と色の関係性

どこに行っても見かけるチェーン店の看板。
お店の名前を耳にしただけで、頭の中にそのお店の看板の色がじわ~っと思い浮かんでくる…
そんなお店もたくさんあるのではないですか?

さて、ここで浮かんだチェーン店の看板の色を思い出してみてください。
パステルカラーや珍しい色が使われているケースって少ないと思いませんか?

そもそも、チェーン店の看板の色ってどうやって決めているのでしょうか。
チェーン店の看板と色の関係性について、気になったので調べてみました。

色が与える影響・イメージ

チェーン店の看板の多くは、そのお店のロゴが使われています。
このロゴですが、こんな話をご存知ですか?

「世界中のロゴの多くは、赤と青が使われている」

言われてみれば確かに、豊富な色のラインナップと格安の値段で一気に全国に広まったあの洋服ブランドUも赤と白が基調ですし、牛乳瓶のマークが目印のコンビニLも、青が基調になっています。
チェーン店ではないですが、日本の二大航空会社も赤と青がそれぞれ基調になっていますよね。

実は、世界で一番人気があるとされている色は青なんだそうです。
2位以下は流動的ですが、赤や白、黄色などが人気の色とされています。
また、赤と青に加えて、ロゴや看板の多くに使われる色は実は決まっています。
白、緑、黄色。
この5色が、お店の看板の色に多用されています。

色は人の心理や感情に働きかける

「好き」と感じる色があるように、色というのは、人の感情や心理に働きかけてくることがわかっています。
この性質をお店の看板にうまく使うことで、よりお店のイメージを良くしたり、狙った心理効果を高めたりするというわけです。

例えば、青は人に鎮静効果を与えます。
食欲を抑えたり、気持ちの高ぶりを抑えたりする一方で、集中力を高める、睡眠を促進するような効果があります。
青を目にすることで、人は「冷静」「信頼」「知性」といったイメージを連想するとされています。

一方で、赤はエネルギーを高めたり、興奮させる効果があります。
食欲を促進させる心理的な効果もあるため、飲食店の看板には赤が多く使われていますね。

色が持つ意味合いはポジティブなものだけではない

ただ、色はポジティブな意味合いだけではなく、ネガティブな意味合いも持ち合わせています。
例えば青には「冷静」「知性」というポジティブな意味合いがありますが、裏を返すと「冷酷」「憂鬱」というようなイメージを連想させることも。

看板に青一色を使ってしまうと、このネガティブなイメージも強く人に伝えてしまうことになりかねません。
そこで、看板の多くは補色を使うことで、色の持つネガティブなイメージを和らげています。
暖色系に寒色系を組み合わせるのがその典型的な一例ですね。

大手チェーン店の看板の色の特徴とその背景

チェーン店の看板と色の関係性
では、具体的にチェーン店の看板の色を見てみましょう!

飲食店、薬局、書店…それぞれに多い色とその理由は?

チェーン店や大企業などは特に、色によってどんな印象を与えたいかをしっかり研究して看板の色を決めているもの。
そこで、数店例を出してみましょう。

ファストフードで有名なM

こちらは言わずもがな、赤と黄色が基調です。
「M」と聞いただけですぐに頭に浮かぶ人も少なくないのではないでしょうか?

赤は食欲増進効果を狙っていますが、黄色は「陽気」や「喜び」などを連想させる色です。
そして、裏の意味として、赤と黄色は注意喚起の色でもあるのです。
そのため看板に人の目がとまりやすい、という効果があります。
これは、信号をイメージするとわかりやすいですね。

同じファストフードでも、緑を基調にしているM

一方で、同じハンバーガーチェーンでも、Mは緑が基調です(一部赤を使った看板もあります)。
Mの売りは、新鮮な野菜や食の安全性。
名前の由来からもわかるとおり、自然や人に対する愛情をそのコンセプトにしています。
そのため、エコやナチュラルをイメージさせる緑を看板の色の基調にしているんですね。

有名格安ブランド、U

誰しも一度はこのお店で洋服を買ったことがあるでしょう!
全国展開しているチェーン店の一つ、Uの看板は、赤と白が基調です。

赤色は開店当初から使われていたようですが、赤には「情熱」「革新」といったベンチャースピリットのイメージを重ねていると言われています。
そして、赤と白。
何かを連想しませんか?
そう、日本の国旗である日の丸の配色ですね。
Uは世界にも進出していますが、赤と白という配色には、日本を代表するという意味合いも、もしかしたらあるのかもしれません。

大手書店のJ堂

書店の看板を調べていて感じたのが、「緑と青が意外に多い!」ということ。
J堂とY堂は緑が基調ですし、K屋などは青が基調になっています。
青は「知性」を連想させることから、知識の宝庫である書店の看板には最適の色と言えますね。

一方緑にも鎮静効果があるとされているほか、森林の色でもある緑はリラックス、癒し、穏やかというようなイメージを与える効果があります。
書店に行くとわかるのですが、本は目を引くためにとにかく鮮やかな配色になっていることも多く、実は色味がたくさん使われています。

しかし、看板を緑や青を基調にすることで、書店に行くと落ち着く、リラックスする、またリフレッシュするというようなイメージを保っています。
J堂も、店内にカフェスペースがあり、落ち着いて本を読むことができますよね。

京都や鎌倉だけ看板の色が違う?地域によって看板の色が違う理由とは

さてさて、少し毛色の違う話に移りましょう。
普段行かない地域でコンビニやファストフードなどを利用したとき、「あれ?」と何か違和感を感じたことがありませんか?
その違和感の正体は、ズバリ「看板の色」なんです!

地域によって看板の色が違うことがある

例えば、大手牛丼チェーン店のY屋は黒とオレンジの派手な看板が目印です。
しかし、京都のある店舗では、看板が白と黒になっていて、オレンジが使われていないところがあるのです。

牛乳瓶のマークが目印のコンビニ、Lも同じ。
八坂神社近くにあるLの看板は、あの鮮やかな青色ではなく、白と黒が基調となっています。

このように、地域によっては看板の色が違うことがあります。
特に、「古都」と呼ばれる町、京都や鎌倉などではこの特徴が顕著です。
これには実は理由があります。

屋外広告物に関する条例

看板の色が制限される最大の理由は、「景観」です。
京都や鎌倉など、昔ながらの重要文化財が多い街並みでは、そこに赤やオレンジなどの鮮やかな色が持ち込まれることで、景観に影響を与えてしまいます。
そのため、屋外広告物に関する条例によって、これらの看板を規制しています。

対象となるのは、看板やポスター、文字やシンボルマーク、写真など。
かなり幅広く規制の対象になるんですね。
そして、看板などを設置するときには市長などの許可が必要となります。
こうして、その町の景観を邪魔しない色やデザインの看板に淘汰されているというわけです。

いかがでしたか?
色には、それぞれが持つ意味があり、人の心理や感情に影響を与えます。
看板には、この作用をうまく利用して、「人の目につく」「一定の感情を生む」ための色使いが研究されています。

特に大手チェーン店は、人の目につく機会も莫大ですので、その研究はかなり深いところまでされていると言っていいでしょう。
ぜひ、街を歩いて目につく看板があったら、どんな色を基調にしているのか、どんなイメージを持ってもらいたいと考えてのことなのか、その背景を探ってみてください!

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