カッティングシートに職人技を見た!

看板博士と呼ばれる男。
先日はラジオDJの夢を見ていましたが、今日もまた変な夢を見ているようです。

看板博士:「『看板博士の職人訪問』。この番組では様々な看板にまつわる職人を掘り下げていきたいと思います。今日のテーマはカッティングシート。では、職人。よろしくお願いします!」
職人:「いや、別にこれって誰でも簡単にできるんだけどなあ」
看板博士:「わー、カットカット!(一旦ストップ!)」
職人:「ほう。そんなにカッティングシートをカットしたいんだったら、博士もやってみますか!」
看板博士:「いや、そっちのカットじゃないんですって…」

(※以下、看板博士→看、職人→職でお伝えします。)

まずカッティングシートとは何か?

お店のガラスなどに、文字や図などがキレイに貼られているのをみたことはありませんか?
1枚1枚に文字や図が書かれているステッカーとは違い、あたかもペンキで描かれたように単色のシールがキレイに貼られているとしたら、それはカッティングシートであることが多いです。

カッティングシートを一言で言えば、色鮮やかな単色のシール。
1枚では単色ですが、多くのカラーバリエーションがあるため、組み合わせ次第でカラフルな表現も可能です。

なお「カッティングシート」は中川ケミカルが商標登録している商品名。
マーキングフィルムやカラーシールなどと呼ばれることもありますが、他社製品であってもつい「カッティングシート」と呼ばれることが多いです。(ソニーのウォークマン、ヤマト運輸の宅急便みたいな感じ、で伝わりますでしょうか?)

カッティングシートをカットする

職:「では、看板博士。実際にカットしてみましょうか」
と、まずは職人からカッターが渡されます。おお、小学校の図画工作以来だ。
職:「じゃ、シートの上に文字を書いて、それに沿うように切ってみて」

カッティングシートの特徴。
シート自体は粘着力や耐久力に富んでいますが、厚さは0.1mmと薄いためカットはしやすいです。
職:「台紙部分は残して、貼られたシールだけを切って欲しいんだ。だから、そんなに力を入れなくても大丈夫だよ」
カッティングシートを切る

看:「はい。うーん、不器用だから、全然まっすぐ切れないし。さらに曲線となると、全然書いた線通りにならないなあ……」
職:「でも、切り終わったみたいだね。じゃあ、剥がしてみようか」
カッティングシートをはがす

看:「はーい。一応、書いた文字っぽいシールが出来上がりました」
職:「基本はこれが、カッティングシートの原理だよ。あとはこれをガラスなどに貼るだけ」

小さい頃に、紙切りをしたことありませんか?
あるいは寄席で、お客さんからのリクエストに対して瞬時に紙にハサミをいれて、1枚の白い紙をその注文通りの形に切り抜いてしまう名人芸。
要はそれと同じです。

看:「なるほど!つまり、これをキレイにカットしたり、そしてズレることなくガラスに貼ったりするのが、職人技なんですね!!」
職:「いやあ、今は原理を説明するために手作業でしてもらったけど、それも簡単だよ」
看:「え? じゃあ、この苦労は一体……。」

カッティングシートをキレイにカットする

職:「で、実際看板などに貼られているシートをカットする際には、文明の力を借りる」
おお、なにやら機械が登場してきましたよ。
看:「これは一体?」
職:「ざっくり言えば、カッティングマシンかな」

カッティングマシンは、シートをカットするための機械です。
出力機器を意味するプロッターや、カッティングプロッターなどと呼ばれることもあります。
カッティングプロッター

職:「普通のプリンタは、パソコンのお絵かきソフトなどで作成した文字や図を、紙に印刷する。ここまでは大丈夫だよね?」
看:「はい」
職:「で、この機械は、印刷をするんじゃなく、その輪郭通りに切ってくれるんだ。専用ソフトをパソコンに入れて、文字や図を書く。で、そのデータをこのカッティングマシンに送ると、あとはその通りにカットしてくれる。そういうわけだ」

ソフトでの制作時に、どの線を切るのかという情報は提示されます。
ですので、写真をそのまま印刷できるプリンタとは違って絵などは苦手。
文字や図などの輪郭でカットができるものが対象となります。

看:「ただ、表の看板に貼られていた文字って、相当大きかったですよね。その場合、このカッティングマシンで大丈夫なんですか?」
職:「その場合は、こっちを使う(と大型の機械を奥から取り出す)」
看:「うわ、ごっつぃ!」
カッティングマシン

カッティングマシンは、サイズや機能によって値段は様々。
大きいものですと10万円以上はします。

職:「じゃあ、やってみようか。まず、このソフト上で文字を入力して、サイズなどを指定する」
フォントとサイズの指定
ソフトの種類によりますが、通常の文書ソフト同様にフォントやサイズの指定、さらにはシートのどの部分を使うかといった配置などを決めることができたりします。

職:「で、このデータをカッティングマシンに送ってみようか」

マシンにカッティングシートを挿入します(向きを間違えないでね!)。
カッティングマシン カット

おお、マシンの刃が自動的に動き出し、シートの上をなぞるようにして進んでいきます。

待つこと数分足らず。シート上には、キレイなカット跡が残りました。
職:「あとは、それを剥がせば完成。じゃあ、その周りを剥がしてごらん」
カッティングシートをはがす2

周辺は一気にペロンと剥がすことができます。
ただ、デザインによっては周辺を剥がした後に、内部を細かく剥がさなくてはいけない場面も生じます。その場合は丁寧に剥がしましょう。

看:「いやあ、思っていたよりも簡単でした。ただプリンタと違って、このカッティングマシンを個人で所有するのは、ちょっと大変そうですねえ」
職:「利用頻度次第かな。でも、最近は街中でプリントサービスをしてくれるお店ってあるよね。ああいうお店では、実はこのカッティングマシンも備えていて、対応してくれることもあるんだ。気になったら一度調べてみるといいよ」

カットした字をキレイに貼る

看:「では最後、これをキレイに貼る作業なんですけど、こっちは大変ですよねえ。特に複数の文字や図だと間隔とかがバラバラになりやすいですし」
職:「ううん、全然。今、シートには周辺を剥がしたから、文字だけが残っているだろう」
看:「はい」
職:「全体にこの透明のシールを貼る。そして剥がしてみると…」
看:「あ、透明シールに、ソフト上で配置した通りのままで、カッティングシートの文字がくっついてる!」

このような透明シールは、アプリケーションシールや転写シートなどと呼ばれます。
粘着力は弱いため、カッティングシートから剥がしやすい特性があります。

職:「あとは、この状態で貼って、最後にこの透明シールを剥がせば、そのままの配置状態を維持できるってわけだ。な、簡単だろう? せいぜい貼る際に、中に気泡が入らないよう気を付けるくらいかな」
看:「なんと、今やこんなに簡単に看板が作れちゃうんですねえ」
看板博士も思わずしみじみ。

あなたにとってカッティングシートの魅力とは?

看:「確かに誰でも簡単にカッティングシートはできますが、これだけ丁寧に説明して頂けるなんてやっぱりあなたは立派な職人です!」
職:「そう、なんか照れちゃうなあ」
看:「では、カッティングシート職人に最後の質問です」

ズバリ、カッティングシートの魅力は何ですか?
職:「そうだねえ。まずは鮮やかってことかな。カラフルで、目に留まりやすいと思う。で、それだけならペンキで描いても同じなんだけど、ペンキと違ってやり直しがしやすいというのも魅力だと思うんだよ」

看:「といいますと?」
職:「だって、失敗したなあと思ったら剥がせばいいんだもん。また、例えば月別メニュー案内とか、毎月変わる内容だけどしっかりアピールしたい時なんかは、ガラスに直に書き込んだりするより、カッティングシートを使えば便利だよ」

看:「そうですねえ」
職:「最後、それでいて耐久性もバツグンなんだ。雨風や泥にも強いから、表のガラスに貼っていても剥がれない。汚れたらガラスと一緒に拭けば元通りピカピカさ。あと、場合によっては外側じゃなくて、粘着部分を逆に内側から貼れるなんていうのもできたりするからね」

うーん、いい話だなあ。
シートはカットしたけど、撮影はカットしなくてよかった~。

レジ誘導シール