TPOで表示が変わる??デジタルサイネージさまの進化!

昼休み。今日は職場のみんなで回転寿司に出かけましたよ。

「いやあ、ビックリしましたね。いつの間にか、手元のパネルでも注文できるようになっていましたね!」
うーん、ただ1つ注文するのに何度もページを送らないといけなくて、ちょっと面倒だったかな。
いつもいた店員さんは、こっちの顔色見て、欲しそうなのを勧めてくれたのがよかったんだよね。

「あ、看板博士って、ITとかデジタルなものって苦手なんでしたっけ?」
「そんなことないですよねえ。以前もデジタルなんとかって看板を教えてくれましたよね」
(だから看板博士じゃないってば)
それってデジタルサイネージのことかな。
確かに、飲食店のメニューのパネルも、一種のデジタルサイネージかもしれないね。別に特別苦手じゃないよ。

「苦手じゃないってことは、結構お好きなんですね。デジタルサイネージさんのこと」
こらこら、人じゃないんだからさん付けはよしなさいって。

「さすがに、こっちの顔色を見て勧めてくれるみたいなのは無いですよねえ」
これがそうでも無いんだよなあ。
最新のデジタルサイネージは、TPOに応じてメッセージを変えるものもあるんだよ。

「へ~。その進化したデジタルサイネージさまのこと、教えてください!」
わかったわかった。
説明するから、そのさま付けで呼ぶのもやめなさいって!

そもそもデジタルサイネージって何でしたっけ?

デジタルサイネージとは、ITなどのデジタル技術を活用し、広告を投影する看板です。
「電子看板」などと呼ばれることもあります。

電球やLEDによる看板も広義ではデジタルサイネージの一種ではありますが、これらは「電光掲示板」と呼んで、デジタルサイネージと区別することが多いようです。
一般的には液晶パネルやプロジェクターなどを用いたものが、主に「デジタルサイネージ」と呼ばれる傾向にあります。
スポーツの競技場やコンサート会場などの大型スクリーンなどがその代表。
渋谷に行かれる機会が多い方は、スクランブル交差点の周囲にあるさまざまな電子看板がイメージしやすいでしょうか。

一方的でない、変化していく表示内容

TPOに変化する看板などは、従来もありました。
例えば、その日の天気に応じて、晴れ用/雨用でメッセージを変えたり、おすすめの商品を変えたりするものなど。
ただし従来は手動で変化させていたものでした。

デジタルサイネージでは、表示画面をパソコンやネットと連動させることができます。
それにより、間に人手を介さずに自動的に変えることができます。
さらには、例えば雨量をチェックしてリアルタイムに自動更新、といった素早く変化に応じる設定も可能です。

また画面に情報を表示するだけだった旧来のデジタルサイネージと違い、最近のデジタルサイネージは「双方向」が1つのキーワードとなっています。
こちらは館内MAPや観光案内などで、自分が行きたい場所をタッチすることで、その場所の情報が表示されるものなどをイメージするとわかりやすいでしょうか。

IT技術の進化に加えて、実現するための画面やタッチパネルといった機材も安価になったこと。
そして、スマホやタブレットに代表される「利用者が触れることでアクションが起こる」という文化が浸透したこと。
これらによって「利用者自らが触れて必要な情報を得る」というデジタルサイネージ看板は、より身近なものになっています。

センサーによって、年代や性別を識別できる

TPOで表示が変わる??デジタルサイネージさまの進化!
コンビニエンスストアで買い物をした時に、店員さんがレジで水色やピンクのボタンを押している姿を見たことはないでしょうか?
これは利用者の性別や年齢といった属性を登録することで、マーケティング分析の資料として活用されています。

このような統計をまとめることで、例えば「従来男性は甘いものが苦手と思われていたが、甘いものを大量買いする男性が多い」といった情報がわかります。
この情報があることによって、男性が来る時間帯に大量に甘いものを仕入れる、男性用品の近くに店内POPも飾る、といった戦略が打てるようになります。
(……もっとも、店員さんの手入力なので厳密性は無く、看板博士もある時などは10代女性として押下されたのを見た経験もありますが。)

デジタルサイネージでも、同じように利用者の属性情報を取得するものがあります。
そして、同時に得た情報に応じた広告を、瞬時に流すといったことも可能です。

また、利用者自らが前述のタッチパネルで自ら属性情報を入れるパターンもあります。
さらには、最近はカメラやセンサーも進化したので、身長や顔認証、さらには独特の行動パターンなどから、年齢や性別などを推測することもできるようになりました。

もちろん、これも推測なので厳密性には欠ける要素もあります。
しかし、ただ単に広告を垂れ流すのではなく、「30~40代の女性」など特定のターゲットを対象にした商品の広告を当該の利用者が近づいたタイミングで流すと、ニーズにマッチする度合いが高くなるため、購入へ繋がりやすくなります。

さらにセンサーがあることで、一定の行動が行われたら用意した映像を流す、ということも可能となります。
例えば、カメラの範囲内にいた人がくしゃみをしたら、風邪薬のCMを流す。
あくびをしたら、眠気覚ましのコーヒーや栄養ドリンクをPRする。
背丈が低い人物がうろちょろと動いているようだったら、幼児が迷子になっている可能性を想定して、ひらがなやイラストを多用して「どうしたの?」と優しく問いかける……など。

やりすぎるとプライバシーに関わる情報の取得というデリケートな問題もはらんでいますが、こちらのニーズを先取りして内容を広告することはデジタルサイネージである程度実現可能です。

総務省の災害時には

デジタルサイネージは、民間だけでなく国からも活用が期待されています。
例えば総務省では、数年前より「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」が行われています。
(参考:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会/総務省
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/2020_ict_kondankai/index.html )
中でも「都市サービス高度化ワーキンググループ」においては、デジタルサイネージの活用が挙げられています。

例えば、来日する外国人向けへの対応。
観光地やショッピングモールなどで、デジタルサイネージで利用者の国籍などを把握し、それに応じた言語や情報(例えば、イスラム圏で文化・宗教上の理由から食べることが禁じられている料理が出るお店の有無など)を提示するよう計画がされています。

さらに災害時には、特別な対応ができるという計画もあります。
従来観光案内が配信されているデジタルサイネージを、災害時は多言語も含めた緊急災害情報が表示できるよう切り替え、リアルタイムにエリア内に一斉配信ができるシステムが検討されています。
また避難所の情報や、そこまでの経路、交通情報などについて、デジタルサイネージと手元のスマートフォン等を連携させることにより、安全な誘導を実現しようと取り組まれています。
(参考:平成28年度IoTおもてなしクラウド事業の全体像/総務省
http://www.soumu.go.jp/main_content/000448634.pdf)

「国からも期待されているって、すごい子なんですね、デジタルサイネージって」
そうだね。ただこれも例えば国籍といった情報をどうやって取得するかについては、デリケートな問題もありそうなんだ。
ただ商業利用だけでなく、みんながハッピーになるために使われるとしたら嬉しいね。

「プロジェクトが大掛かりになると、ついつい停滞しがちだから、そこは柔軟に対応してもらって是非とも進んでもらいたいですね」
ああ。もしかしたら、TPOに応じて変化ができる、デジタルサイネージの方が、人間よりよっぽど柔軟性があるなんてならないようにしないとね!

「そっか。やっぱり、デジタルサイネージさま、とお呼びしたほうがいいのかなあ」
こらこら。
そこは人間が勝たないとダメだろ。さ、寿司も食べたし、午後からもきっちり働いてもらうよ!
「とほほ。はぁ~い」

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